スマートニュースにブログが転載されるのって良いことなのか?
ども、おっさんです。
記事がはてなブックマークのホットエントリー入りすると、おなじみ「スマートニュース」(以下、SmartNews)に転載されるんですが、GoogleAnalyticsを見ていたらおかしなことに気づきました。
この記事ではSmartNewsに転載されることが良いことなのか、また載ることでのデメリットなどを考えてみました。
こんな感じで転載される
はてなブックマークでホットエントリー入りするとたいていの場合、SmartNewsの「はてなタブ」に以下のように転載されます。
この記事のSmartNewsからの流入は2日間で約900PVでした。
記事のPVが2日間で5,000PVだったので、SmartNews経由が全体の2割弱くらいのトラフィックを占めることになります。個人的には900PVでも結構大きな数字ですね。
この時はまだ実態がわかってなかったので手放しで喜んでました。
異様に短いページ滞在時間と原因
GoogleAnalyticsの「参照元」を見ていてると、これまでに4回ほどSmartNewsに転載されていたようです。しかし、ほかの参照元と比べてみているとおかしなことに気づきました。ページ滞在時間です。
他の参照元に比べSmartNewsからのページ滞在時間が5秒と異様に短いのです。原因として考えられるのはSmartView(またはSmartモード)と言われる機能になります。
SmartViewとは、記事の主要なグラフィックとテキストのみを表示する機能で、主にオフラインでも読めるように作られているSmartNewsの強みでもあるようです。
最初は元記事が表示されるのですが、ユーザがSmartViewに切り替えると元記事から離脱した事になり、ページ滞在時間が短くなってしまうと思われます。
SmartViewで読まれる事の問題点
SmartViewでも記事が読まれるので問題ないんじゃないか、とも思われるかもしれませんが、これは以前から俺様キングダムの切込隊長こと山本一郎氏などもツッコんでいるようにコンテンツにタダ乗りしている、フリーライダー問題があります。
SmartNewsのリリース直後から言われている問題であり今更感はありますが、当時は当事者ではなかったため「ふーん、大変だね(ホジホジ」くらいにしか思っていませんでした。
あれから一年が経ち、スマートニュースはどれだけ適法となったか(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
"smartnews"なるアプリがコンテンツ泥棒と批判された件で(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
今回のポイントというのはたたでさえ貧乏なウェブメディアの貴重な収益源であるバナー広告等の掲載を、この「SmartNews」によって迂回され、読者に記事のみにアクセスされ、ショートカットされ、収益源を奪われ、売上を下げられ、採算をより悪くされ、維持するモチベーションを失わせられ、生活の糧を盗まれ、リストラを余儀なくされ、職を奪われ、ハロワに並ばされ、人間の尊厳を奪われ、人間のクズ扱いされ、二度とネットビジネスで一攫千金なんて言うなよと罵声を浴びせられ、それはお前エコシステムというよりはネットに記事を寄せている人たちが人生の最終処分場送りにされるだけのことじゃないのかという疑念がよぎるのも致し方のないところであります。
問題点としては、上記で山本一郎氏が言及しているとおり、SmartViewで表示されることで収益減を奪われる事だと思いますが、他にも以下の様な問題点があると思います。
ブログ側から見た問題点
ブログ側からの観点では、一番最初に元記事が表示されるため広告インプレッションは発生しているがSmartNews経由での広告クリックはゼロであるため、ページRPMはかなり悪化します。(具体的な数字は控えさせていただきます)
広告クライアント側から見た問題点
またブログに掲載しているアドネットワーク広告のクライアント側からの観点では、インプレッション単価制(CPM)で広告費を支払っている場合、無駄に広告費を支払っていることになるのではないでしょうか?
インプレッション単価(CPM)制 - AdWords ヘルプ
SmartNews側の考え
以下のSmartNews社のページを見ると、SmartNews側の考え方がよくわかります。
リリース直後にはタダ乗りと批判されたSmartNewsも今では「コンテンツの作り手を尊重する」とあるようにパブリッシャーと提携し、それなりに新しいエコシステムを作っているようです。
画像はSmartNews社のページより引用
エコシステムとは具体的に何かというと、SmartViewで表示された場合にネットワーク広告を配信しその収益の一部を分配している様です。
こんな感じにSmartViewの最下部に表示されています。もちろん「はてなブログ」の転載の場合には表示されていません。
※蛇足ですがネットワーク広告にはフリークアウトとイグニスのジョイントベンチャーであるM.T.Burn(エム・ティ・バーン)株式会社のネイティブアドネットワーク広告が掲載されているようですね。
画像はSmartNews社のページより引用
パブリッシャー側も提携してやればSmartViewでもマネタイズ出来るのですが、基本的にはオプトアウトの方式をとっているようです。またこのオプトアウト仕方の説明が不親切すぎてなかなか酷いです。
はてなブログの規約
はてなブログでは意志と関係なく勝手に転載されてますがこれって著作権的にどうなのと思いはてなの利用規約を確認してみました。
第8条(当社の財産権)
- 当社は本サービスに含まれる情報、サービス及びソフトウェアに関する財産権を保有しています。
- 本サービスに使用されている全てのソフトウェアは、知的財産権に関する法令等により保護されている財産権及び営業秘密を含んでいます。
- ユーザーは、はてなダイアリー、はてなブログおよびはてなグループにおいて自己が作成した記事と、有料オプションを利用しているはてなグループのキーワードの内容、および、はてなフォトライフにおいて自己が送信した画像について、著作権を有するものとします。
- 本サービスの提供、利用促進及び本サービスの広告・宣伝の目的のために、当社はユーザーが著作権を保有する本サービスへ送信された情報を無償かつ非独占的に以下のような形式で掲載、配布することができ、ユーザーはこれを許諾するものとします。
- 本サイト内への掲載
- インターネットを用いたクライアントソフトへの掲載
- APIやRSSフィードとしての公開、配信
- 学術研究データとしての提供
- ユーザーが自己の保有する、本サービスへ送信された情報に関する著作権を第三者に譲渡する場合、第三者に本条の内容につき承諾させるものとし、第三者が承諾しない場合には、同著作権を譲渡できないものとします。
第8条の3項をみると、記事自体の著作権はユーザーに帰属するようですが、第8条4項をみると無償での「インターネットを用いたクライアントソフトへの掲載」をユーザーが許諾しているようですね。うーん、抜け目ないな。
ということで、はてなの利用規約的には転載されてもしょうがないということがわかりました。転載されたくなかったらオプトアウトするしかなさそうですね。
まとめ
スマートニュースにブログが転載されることでのメリット・デメリットをまとめてみます。
転載されることでのメリット
- タッチポイントが増える
- PVが増える
- 拡散される(かも知れない)
転載されることでのデメリット
- 収益源を奪われる
- ページRPMの悪化
- 記事をタダ読みをされる
個人的には900PVくらいだと大した収益でもないのでどってことなんですが、RPMの悪化はいただけないなと思ってます。
あと上でも述べたとおり、記事のアドネットワーク広告にCPMで出稿しているクライアント側としては完全に損している気がしてならないのですが、この辺はどうなんですかね?
ということで、SmartNewsに転載されたくなかったらオプトアウトしましょう。
おわり